ふつうの結婚 2 〜Mr&Mrs AKABANE〜
胃袋のタービンが夕食のせいでフル稼働している。
赤屍蔵人はベッドの上をごろごろとローリングする。寝室はお互いの合意の上別々にあるので、妻に気兼ねなくベッドの隅から隅までローリングできる。
――…眠れない(胃袋が煩くて)
悶々としていると、電話が鳴った。
「はい……!わかりました。すぐにv」
死相すら見えていた表情が一転。花トーンを飛ばす勢いでベッドから起き上がり、机の引き出しの鍵穴にどこから出したものか、銀のメスを差し込む。
すると。
ウィィーンというモーター音と供にクローゼットの中に階段が現れる。
るんるんと階段を下りていくと、そこには黒帽子(切れ目つき)、黒コート(伸縮機能つき)、メス(便利な収納機能き)、サバイバルナイフ、アーミーナイフ、バタフライナイフ、ダガー、レイピア、クナイ、日本刀、斬魄刀(※えっ。)等々、銃刀法総シカトな赤屍蔵人・秘密の部屋があった。
そこからいつもの七つ道具(実は七つも無い)を取って、階段を上りクローゼットを閉める。(ちなみにそんな馬鹿な的な展開は管理人のせいではない、もともと映画自体がそんな馬鹿ななのだ(※言い訳))
「何?こんな時間に出掛けんの?」
はっ!と後ろを向くと部屋の扉に腕を組んだ卑弥呼がいた。咄嗟に帽子を隠す(なんとなく)
「もしかして浮気?」
じぃぃっと卑弥呼が見つめてくる。赤屍はクスッと笑って「まさか」と答える。
「私にそのような甲斐性が無いのは貴女が一番良くご存知でしょう?急患ですよ」
「ふうん」
「貴女こそ今からお出掛けですか?パジャマではないようですが」
「…あたしは今までバヒュームの調合をしていただけよ」
「そうですか。寝不足は体によくありませんよ。気をつけて下さいね」
「…ありがとう」
しばしの沈黙。
「…では、私は急ぎますので」
「…ええ、帰りは何時頃?」
「さぁ…?それは患者さん次第ですから」
ニコリと赤屍が微笑む。卑弥呼は「そう。」と頷いてから、何かに気がついたように「ちょっと」と呼びとめる。
「あんた、そんなコート持ってたっけ?」
「…この間新調しまして」
「そうなの。呼び止めて悪かったわ。いってらっしゃい」
なんとなぁく、そそくさと出て行ったような気がする旦那を見送ってから、卑弥呼は「さてと」と電話の前に立ち、ピッピッピッと番号を押す。
すると。
ヴイィィィンとモーター音が冷蔵庫の中から響く。
中を開けると、冷蔵室にはピストル、マシンガン、ライフル、リボルバー、散弾銃、ランチャー等々。ポケットにはポイズンバーヒュームがずらり。冷凍室には、爆竹、手榴弾、ダイナマイトなどが、野菜室にはどっさりと銃弾が入っている。(※だからそんな馬鹿な的な展開は(略))
そこからいつもの七つ道具(本当は七つ以上)を持って、生き生きとした様子で携帯を取り出す。
「もしもし蛮ー?…そう邪馬人はもう出たの。私も今から行くわ。すごく楽しみね、今回の仕事――DrジャッカルとMrノーブレーキ。運び屋二大トップからだんなんて、奪い屋として腕がなるじゃない?」
トラックの中。赤屍は馬車に説教を食らっていた。
「おんし、それで本当に奥方に正体はバレてないんだろうな!まったくおんしは戦闘以外にかんしては無頓着すぎるき。正体がバレたら組織に消されるってこと、わかっているんだろうな?」
「わかっていますよ重々に」
「(嘘くさい重々だき…)……そもそもなんで、おんし結婚なんぞしたんだ?あまりの意外さにワシは泡くって気絶するかと思ったぜよ」
「この私が結婚。というのが面白いかと思いまして」
何のファンサービスだ。
「おんしの考えることは、さっぱりわからん……うん、何処へ行く?」
「少々上へ。様子を見てきますよ」
「そうか。なにしろ今回仕事は数いる奪い屋の中でも飛びぬけた実力の業界No1。ポイズンマスターが率いるチームが相手だき。用心しちょれよジャッカル。」
「ええ、どんな手でくるのか…見当もつかない。実に楽しみですよ。実に…クス…」
双眼鏡を覗いている卑弥呼を、蛮が後ろからこずく。
「よう卑弥呼。どうよ新婚生活は?」
「問題はないわ」
蛮の頭をこずき返しながら、「ただ」と付け足す。
「なっんか、隠している気がするのよね」
「ああー?浮気か?」
「そういう男では無いと思うんだけど…」
「セックスレスとかは?」
「それはちょっと、そうかもー。」
「ああやっぱ浮気じゃなぇか?まぁ旦那もこんあ男女じゃ勤めたくても勤められないだろうしなぁ。次の結婚はホモにしろよホモ。毎晩泣くほど可愛がって…」
ガツンっっ!!
双眼鏡が割れないように蛮の頭を割るように殴る。
「ほら敵が来たわよ!さっさと行く!!」
文句をたれる蛮を蹴飛ばして向かわせる。
「………やっぱり浮気かしら」
ポツリと呟きながらもう一度双眼鏡を覗く。
「しっかし黒コートに黒帽子とは悪趣味な男がいたもんねー。人格疑うわぁー…」
「やられたのう」
「あれが噂の蛇眼ですか。いやいや面白いものを見せて頂きました」
「……」
馬車はさっと視線をそらす。蛇眼で見せられたのは身の毛もよだつ阿鼻叫喚。そんなものを面白いと評する男のの精神は極度Sというか、精神病院行って軟禁されて来いというか…。
「…今回の仕事は失敗かもしれん。一応追ってはみるが、方向がわからんからのう」
「そうですね」
飄々といかもにそんなことは気にしてません。というような様子で答え、奪われた依頼品があった荷台に近寄り眉をひそめる。そこには奪っていた人間のものであろう残り香が残されていた。
妻の職業上少しは慣れたものの。元々消毒液の匂いをことなく愛し、血の匂いをこよなぁく愛している赤屍は香水の匂いはあまり好きではなかった。
「下品な香水をつけた人間もいたものですね……」
激中途半端止め(得意技・だって飽きた(死))
屍が卍解したらすごそうです(はっ?